先日、会社の方で健康診断がありました。以前から血圧は高かったので病院で薬をもらったりもらってなかったり?したのですが、1回目150/111、2回目167/110ということで、「緊急異常所見通知書」なるものもらい、一週間以内に病院に行かなければ仕事できなくなるような事を言われました。
確かに、以前より体重も増えており、加齢もあるかもしれませんが、肥満と血圧またはその原因について考えてみました。高血圧には遺伝的要因や、食塩の取りすぎなどもありますが、ここでは肥満に絞って解説していきたいと思います。
正常な血圧の数値とは

血圧は「最高血圧」と「最低血圧」を測定することで正常値を把握します。また、病院で測定する場合の「診察室血圧」と自宅で測定する場合の「家庭血圧」では、測定時の状況を加味するため正常値域が異なります。自宅で自分で測る「家庭血圧」の場合は、この表の値よりも-5mmHgが目安です。つまり家庭血圧の値で5~7日の平均が135/85mmHg以上だと高血圧と診断されます。肥満者は正常体重者と比べ、約2~3倍多く高血圧症にかかります。
正常な血圧の数値(診察室血圧)※
分類 | 最高血圧 (収縮期血圧) | 最低血圧 (拡張期血圧) | ||
---|---|---|---|---|
正常域血圧 | 至適血圧 | 120mmHg未満 | かつ | 80mmHg未満 |
正常血圧 | 120〜129mmHg | かつ/または | 80〜84mmHg | |
正常高値血圧 | 130〜139mmHg | かつ/または | 85〜89mmHg | |
高血圧 | Ⅰ度高血圧 | 140〜159mmHg | かつ/または | 90〜99mmHg |
Ⅱ度高血圧 | 160〜179mmHg | かつ/または | 100〜109mmHg | |
Ⅲ度高血圧 | 180mmHg以上 | かつ/または | 110mmHg以上 | |
(孤立性)収縮期高血圧 | 140mmHg以上 | かつ | 90mmHg未満 |
出典:特定非営利活動法人日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」

肥満の定義(成人)
BMIを計算してみましょう。
/ Body Mass Index / ボディ・マス指数 / 体格指数 /
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。肥満や低体重(やせ)の判定に用いる。男女とも標準とされるBMIは22.0ですが、これは統計上、肥満との関連が強い糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)に最もかかりにくい数値とされています。
「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)25以上のもの」が肥満と定義づけられており、【表1】の通り判定されます。
表1. 肥満度分類(日本肥満学会)[1]
BMI(kg/m2) | 判定 | WHO基準 |
---|---|---|
< 18.5 | 低体重 | Underweight |
18.5 ≤ BMI < 25.0 | 普通体重 | Normal range |
25.0 ≤ BMI < 30.0 | 肥満(1度) | Pre-obese |
30.0 ≤ BMI < 35.0 | 肥満(2度) | Obese class I |
35.0 ≤ BMI < 40.0 | 肥満(3度) | Obese class II |
40.0 ≤ BMI | 肥満(4度) | Obese class III |
注1)ただし、肥満(BMI≥25.0)は、医学的に減量を要する状態とは限らない。
なお、標準体重(理想体重)はもっとも疾病の少ないBMI22.0を基準として、標準体重(kg)=身長(m)2×22で計算された値とする。
注2)BMI≥35.0を高度肥満と定義する。
血圧と肥満の関係
肥満の人は食べすぎにより、塩分もおのずと摂りすぎてる傾向があり、体内にナトリウムが過剰になっていると考えられます。また肥満になると過剰に分泌されたインスリンの働きによってすると、それを薄めようと血管内に水分が流動し、全体の血液量が増えることで血圧が上昇するというメカニズムです。また血圧だけでなく肥満と関連する疾患として11の疾患が日本肥満症予防協会により発表されています。

結局、体重を減らせば、血圧は下がるの?
肥満の人が1kg減量すると、血圧は約2㎜Hg下がるといわれます。減量によって血圧は下がりますが、急激な減量には弊害もあります。食事に気をつけ、適度に運動することで長期的な計画で減量していくことが大事になってくるでしょう。前回の記事でも書いたかもしれませんが、最終目標は「体重を落とすこと」ではなく関連疾患からの解放であり、健康なライフスタイルの奪取であると信じています。

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